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日本会議研究  16.3.26

「日本会議研究」と題して朝日新聞が水、木、金曜日に連載をした。
木曜日の内容は、国会で衆参2/3以上を取り憲法改定の発議をした後、「日本会議」が主導する「美しい日本の憲法をつくる国民の会」が国民投票で過半数を取る取組をしている事。
運動の内容は、投票を6千万人と仮定して、「1千万賛同者拡大運動」をする。その1千万の人がそれぞれ2人に話をすると合計3千万人になる。
これで過半数となる。実際着々と運動が進んでいるらしい。

一般にネトウヨと言われる人たちは憲法の内容を言わないで「押し付け憲法だ」と言って改憲をいう。平和主義、基本的人権、男女平等、生存権などは何も言わない。
しかし、憲法の成立過程を知るとそうでないことがわかる。
以前にNHKで憲法成立に関する特集があったものがYOUTUBEにあったので、下にリンクした。ちょっと時間は長いが観てほしい。

「日本会議」の改憲の内容は自民党の憲法草案だ。
「日本会議」の運動は進んでいる。神社でもその署名をしている事で分る。
自民党の憲法草案は戦前への逆戻りだ。(具体的な内容は「トップページ」の「憲法」を参照)
平和な日本、基本的人権、男女平等、生存権等その他、色々の権利が保証された現憲法を守るためには「日本会議」の運動には負けてはいけない。
心して頑張らねばなりません。

憲法と自衛隊について ③

国会図書館で戦後の憲法調査会の記録の映像が富田林在住の鈴木昭典さんによって発見され、その内容を先日の報道ステーションが報道した。
「押し付け憲法論」の安倍首相には痛手となったに違いない。その報道ステーションの映像は下に。
動画が見られなくなったので削除した。

憲法と自衛隊について ②

ブログを見ていると④の考え(新9条論)についての意見を見つけた。それは『自民党が「立憲主義の観点から憲法9条にわかりやすく自衛隊を明記すべき」と言っている。新9条論が利用されている。』という意見だ。
その意見を下に表す。

憲法と自衛隊について 

安倍政権は、憲法改定を参院選の争点として挙げようと動くが、ここで今まで出ている憲法改訂についての意見をまとめてみたい。

憲法を変えない立場から

① 憲法9条は変えない。自衛隊は違憲である。外国とは、外交力を高め、論議し、外国とはこれまでのように平和的に付き合い、平和的に解決していく。もし外国が攻めてきても、戦わない。外国が攻めて来ない付き合い方をする。

② 憲法9条は武力行使を禁じ、2項では「戦力」不保持を定めている。しかし、憲法13条には「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利」は「国政の上で、最大の尊重を必要とする」とあり、 自衛のための必要最小限度の実力行使は、9条の例外として許容される。だから自衛隊は合憲である。個別的自衛権はあるが、集団的自衛権は行使出来ないし、しない。これは、従来の政府見解。

改憲の立場から、
憲法9条は武力行使を禁じ、2項では「戦力」不保持を定めている。日本防衛のために改憲が必要だ。

③ 憲法を改正して自衛権(個別的自衛権と集団的自衛権)を行使できるようにする。自衛隊は合憲で、外国のためにも戦争できるようにする。これは今の安倍政権、自民党の考え。

④ 憲法を改正して個別的自衛権を行使できるようにする。集団的自衛権を行使出来ないようにきちんと憲法に書く。自衛隊は合憲で、自衛のための戦争はするが、外国のためは戦争できないようにする。これは最近出てきた考え。

以上4つの考え方があると思う。ひょっとしたら改憲の立場からもう一つあるかもしれない。
自民党の改憲案は「憲法」にあるので、9条だけではなく他の所も見てほしい。
今、④の考え方から、次のような憲法9条の改正案が発表されている。

クリックすれば大きくなります。

どの意見に賛成か、意見を寄せてほしい。待っています。

安倍首相の憲法改正発言について 

昨日、今日の朝日新聞には安倍首相の憲法改正発言が取り上げられている。
新聞は
「安倍晋三首相が憲法改正に向けた発言を際立たせている。4日の衆院予算委員会で、首相は「参院選でも訴えていきたい。3分の2の多数を形成しなければ憲法改正には至らない」と語り、夏の参院選では改憲を掲げ、発議に必要な3分の2の議席確保を目指す考えを鮮明にした。具体的な条文として、戦力不保持を定めた憲法9条2項も対象として取り上げている。」
と伝えている。
ここに来て「緊急事態条項」が「9条2項」に移ってきた。
自民党の案である9条は次のとおりだ。左が自民党案。右が現行憲法と、問題点の解説。

※「ヤバすぎだ、と話題に・・・自民党 日本国憲法改正草案対照表 2012版」から引用。
原典はこちら
http://www.geocities.jp/le_grand_concierge2/_geo_contents_/JaakuAmerika2/Jiminkenpo2012.htm

ところが、中身の改正の具体的な条文には触れないで、「国会や国民的な議論の中でだんだんと収斂(しゅうれん)していく」と逃げている。
しかし、裏では9条改定に向けて、手を打っている。
弁護士さんたちが、地域の人たちに今なされようとしている「憲法改正」とはどういうものかを理解してもらうために「憲法カフェ」というのを行っている。それを、混乱させるように安倍首相の応援団である日本会議が「憲法おしゃべりカフェ」という名前で、「憲法改正」を進める活動を精力的にしているようです。
詳しくは次のとおりです。

「Everyone says I love you !」から引用
原典はこちら
「2016年02月05日  安倍自民党の危険性」

SEALDsの「NNITE」という文字を使っても「憲法おしゃべりカフェ」と同じようなことをやっているらしい。
どんな卑劣な手を使ってでも「憲法改正」を推し進めようとしている気迫はすごいものを感じます。
これには負けておれないという思いを強くしました。

安倍首相の憲法改正発言について 2 

「自衛権」と「今までの政府の憲法解釈」 

「自衛権」と「今までの政府の憲法解釈」について憲法学者の木村草太氏は「なぜ憲法学者は「集団的自衛権」違憲説で一致するか?」の中で次のように解説しています。

 日本国憲法では、憲法9条1項で戦争・武力行使が禁じられ、9条2項では「軍」の編成と「戦力」不保持が規定される。
このため、外国政府への武力行使は原則として違憲であり、例外的に外国政府への武力行使をしようとするなら、9条の例外を認めるための根拠となる規定を示す必要がある。
 「9条の例外を認めた規定はない」と考えるなら、個別的自衛権違憲説になる。
改憲論者の多くは、この見解を前提に、日本防衛のために改憲が必要だと言う。
 では、個別的自衛権合憲説は、どのようなロジックによるのか。
憲法13条は「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利」は「国政の上で、最大の尊重を必要とする」と定める。
 つまり、政府には、国内の安全を確保する義務が課されている。また、国内の主権を維持する活動は防衛「行政」であり、内閣の持つ行政権(憲法65条、73条)の範囲と説明することもできる。
とすれば、自衛のための必要最小限度の実力行使は、9条の例外として許容される。これは、従来の政府見解であり、筆者もこの解釈は、十分な説得力があると考えている。
 では、集団的自衛権の行使を基礎付ける憲法の条文は存在するか。これは、ネッシーを探すのと同じくらいに無理がある。
国際法尊重や国際協調を宣言する文言はあるものの、これは、あくまで外国政府の尊重を宣言するものに過ぎない。「外国を防衛する義務」を政府に課す規定は、どこにも存在しない。
 また、外国の防衛を援助するための武力行使は、「防衛行政」や「外交協力」の範囲には含まれず、「軍事」活動になるだろう。
ところが、政府の権限を列挙した憲法73条には、「行政」と「外交」の権限があるだけで「軍事」の規定がない。
政府が集団的自衛権を行使するのは、憲法で附与されていない軍事権の行使となり、越権行為になるだろう。
 つまり、日本国憲法の下では、自衛隊が外国の政府との関係でなしうる活動は、防衛行政としての個別的自衛権の行使と、外交協力として専門技術者として派遣されるPKO活動などに限定せざるを得ない。
 以上のように、個別的自衛権すら違憲と理解する憲法学者はもちろん、個別的自衛権は合憲と理解する憲法学者であっても、集団的自衛権の行使は違憲と解釈している。
憲法学者の圧倒的多数は、解釈ロジックを明示してきたかどうかはともかく、集団的自衛権が違憲であると解釈していた。
さらに、従来の政府も集団的自衛権は違憲だと説明してきたし、多くの国民もそう考えていた。だからこそ、集団的自衛権の行使を容認すべきだとする政治家や有識者は、改憲を訴えてきたのだ。

自衛権は国際連合憲章51条によって国際的に認められている。
自衛権には個別的自衛権と集団的自衛権があり、上の解説にもあるように従来から日本政府は個別的自衛権はあるが集団的自衛権の行使は違憲と言ってきた。
ところが昨年11月の安保法の制定により憲法違反である集団的自衛権を認める決定をしてしまったのです。
また、今回の憲法改定の発言では、稲田議員が9条2項を改定すると言っています。
現行憲法の

② 前項の目的を達するため、陸海空軍その 他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。


2 前項の規定は、自衛権の発動を妨げるものではない。

この自衛権とは集団的自衛権のことを指し、安倍氏もそう言っているし、それしか言ってない。対となっている個別的自衛権にはついては一切触れてない。
そしてまた

(国防軍) 第九条の二 我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全を確保するため、
内閣総理大臣を最高指揮官とする国防軍を保持する。
2 国防軍は、前項の規定による任務を遂行する際は、法律の定めるところにより、国会の承認その他の統制に服する。

以下9条二の国防軍を参照されたし。


※「ヤバすぎだ、と話題に・・・自民党 日本国憲法改正草案対照表 2012版」から引用。

と改めようとしている。
国際法上「自衛権の行使」と「自衛戦争」は違う。国際法は「自衛戦争」を認めていません。
「自衛権の行使」とは分りやすく言うと、「相手が殴り掛かってきた」ので最小限の正当防衛をすること。
「自衛戦争」は「いつ殴られるか分らない」ので相手を殴りつけること。「自衛戦争」とは、「自衛のため」に戦争をすること。「戦争」をする以上、国際法上は違法なのです。

「自衛権」と「今までの政府の憲法解釈」だけに絞ると、稲田議員の発言と青字の所が関係してくる。
それは、憲法を改定して、総理大臣の指揮下のもと国防軍をもち、集団的自衛権行使(安保理決議が必要)でアメリカのためアメリカの指揮下のもと地球の果てまで国防軍(自衛隊)を派兵し武力行使をしようと意図しているのです。
安保法も憲法改定も決して許してはならない事です。
その他、自民党の憲法草案には個人の権利を侵すいろいろな問題があります。

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